4月は怒涛の如く

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 熊本県・大分県地方の地震が収まりません.ニュースを見ながら被災された方やそのご家族の方々のお気持ちを考えるとやはり複雑な気持ちになってしまいます.けれども同時に、なにか自分にできることはないかという気持ちが独り歩きして自らの行動が空回ることのないよう、今は自身に課せられた仕事に集中することを心がけています.これは5年前の東日本大震災から得た教訓です.被災地の方々に一日も早く平穏な暮らしが戻ることを祈りながら、必要以上に心乱さぬ生活を心がけ、目の前のやるべきことに集中する.支援はしかるべき時に‥今はそんなふうに考えています.

 

 さて、大学が新年度を迎えて3週間が経過しました.明日から5月になりますが、心なしか今年の4月はいつにも増して慣れない仕事に追われた日々が続きました.そんな中、先週はザ・パシフィックハーバー(徳島)にて開催されたマンスリーディナー倶楽部のイベントに出演させて頂きました.今回も昨年と同様、コンサート後には古典のフレンチと各お料理に合わせた王室御用達のワインが振る舞われ、いらしたお客さまと共に良いひと時を過ごすことができました.その翌日は10年以上も前から度々演奏させて頂いているケアハウス田園の田園ホールで、急遽プライヴェートコンサートをさせて頂きました.心ある恩人たちを前に、あたたかいような、せつないような、そんな不思議な気持ちを抱きました.

 

ザ・パシフィックハーバーと田園ホールのグランドピアノ
 
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 せつないと言えば、徳島の後は福井の実家で週末を過ごしたのですが、最近、妙に親のことが気になるようになってきてしまいました.いつか両親と別れる日が来るということが、単なる頭の中の理解ではなく、ひしひしと実感するようになったというか.別にそのことが哀しくて仕方がないというのではありません.ただ、僕のピアノのために休みなしでずっと働き続けてきてくれた両親ですから、二人の元気なうちに一緒に出かけたりゆっくり食事をする機会をできる限り持ちたい‥でも、あとどれくらいしてあげられるのか‥そんなことを考えているとなんともせつなくなってしまうのです.まぁそうは言っても、僕は自分の家庭を持っていませんから、仕事のやりくりさえすればまだまだ親にしてあげられることはあります.そんなふうにポジティブに考えていこうと思います、、笑
散歩中に見つけたシャガと荒れ放題の川村家のフジ

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 そして今週はチェリストの松波恵子先生との初合わせ、さらに東京工業大学管弦楽団との初合わせがありました.アンサンブルをしていると、「音楽って本当にコミュニケーションなんだなぁ」 と、つくづく感じます.それこそ20代前半の頃は、音楽にはコミュニケーションが不可欠であることを頭で理解しながらも、演奏を通して作品を他者に伝えるということがどういうことかを深く考えたり、他人の気持ちを汲みとりながら研鑽を積んでいたとは到底言えない‥もう恥ずかしいくらいに自分のことしか考えていなかったので.ちなみに、今はソロのピアノ曲を演奏する際でも、一人でアンサンブルをしているような感覚が自然と起こるようになりましたが、それでもなお、室内楽やコンチェルトにはソロにはないスリルや奥深さが多くあるように感じています.

 

 最後になりますが、今月は10年来の師でもあるディーナ・ヨッフェ先生が来日され、5年ぶりに日本でリサイタルを開催されました.恩師であられるヴェラ・ゴルノスタエヴァ女史の追悼コンサートということでしたが、ヨッフェ先生のお人柄がうかがえる内容で、怒涛の如く過ぎ去る4月の終わりにとても幸せな気分に浸ることができました.ファツィオリも大変気に入られたようで、今後また拝聴できる機会が増えたら嬉しいです.

 

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それでは皆さまどうぞ良い連休をお過ごしください.

 

4件のコメント

  1. 川村さん、こんばんは。

    別府での合宿、そして徳島での演奏、お疲れさまでした!
    今までのエントリーを読ませて頂きました。
    充実した合宿の内容、真摯に学ぶ学生さんたちの様子や美しい景色など、こちらも参加しているような気分を味わえました。
    引率は、やはり大変なことですよね(苦笑)。
    本当に無事に何事もなく終わることが出来て良かったですネ。
    徳島でも温かい雰囲気の中の演奏だった様子ですね。
    お写真の会場もとても素敵♪
    川村さんと徳島は長いお付き合いのあるご縁のある場所のようですから、演奏も楽しめたのではないでしょうか(笑顔)。

    ご両親のお話も、とても良く分かります。
    川村さんは大学進学後ずっと東京だと思いますので、そんな気持ちがより大きいのかな・・・と感じます。
    私などは大学を卒業後Uターン就職しましたのでその後もずーっと家族と一緒ですが、それにも関わらず何にも出来ていません(苦笑)。
    お手伝いや話し相手ぐらいはしてますが・・・。
    川村さんのエントリーを読んで、改めて考えさせられました~。

    熊本地方の地震にも胸を痛めていますが、川村さんのおっしゃる通り私も今目の前にある自分がするべきことをきちんとやっていこうと思います!

    志賀高原の合宿もどうぞ頑張ってくださいネ!
    それでは、また~。アヤ

  2. Ayaさん
    Ayaさんはご家族と一緒に暮らしてらっしゃるのですね、少し羨ましいです.僕は、子どもの頃は本屋を営む両親がとにかく忙しかったので‥親の愛情を感じる一方、一緒に過ごせる時間はあまりなかったんですね.それで、そのうち本が売れなくなってきて両親が暇になったら今度は僕が忙しくなってしまって.人生って思うようにいかないもんですね、、苦笑

  3. 思うようにいかない…ふと、
    皇太子妃”雅子様”のことが頭をよぎった私です。

  4. ちゃまさん
    本当にことある度に思いますよ.人生はぜんぜん思うようにいかないし、心穏やかに過ごしたいのにどうして次から次にこんなにいろんなことが起こるのかって.でもだからこそ、人生はおもしろいんだよなぁと感じます‥だいぶ後になってからですけど、、笑

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