bird

その後の経過とお願い

投稿者:

 もう梅雨は開けたのでしょうか.昨日、東京では久しぶりにわき立つ入道雲を見ることができました.いよいよ本格的な夏の到来ですね.

 さて、ブログを更新したのは一先ずの経過のご報告と、お願いを聞いていただきたかったからです.まぁ経過といっても聴力が固定するまで1ヶ月程度はかかるので、本当は今何を書いても仕方がないんですねけどね‥

 
 そもそも前回の記事も含め、こうした内容は時と場合によって不幸自慢や自己憐憫に浸っているように感じられると思います.僕なりに言葉を選んで書いているつもりですが、健聴者にとってはウザい、調子に乗ってる、そう受け取られる可能性は大いにあるでしょう.

 けれども僕はそれが別に悪いことだとも思っていません.感じ方、受け止め方は人それぞれで違っていて当然です ― ちなみに僕はこの前「自業自得」という嫌な言葉を使いましたが、それは皆さまにとんでもなくご迷惑をおかけしたこと、またそれが日ごろの僕の無茶や不摂生によって起きたことは事実として変え難いと思ったからです.

 必要以上に自分を責めたり、ましてや誰かを傷つけたり恨むつもりで書いたわけではありません.何をどんなに気を付けていたって人生にアクシデントはつきものです.そのくらいのことは理解できる歳の重ね方をしてきたつもりです.

 
 ただ、これだけは言わせてください.僕はもともと心配されるのが苦手な性格です.完全に乗り越えていない闘病中(闘病ってなんかヘンな言葉ですね)の身で、病気の話などしたくありません.そんな暇があるのなら、せっかくいただいたこの時間を少しでも心穏やかに過ごしたいです.

 それに、治療を続けながら一刻も早く桐朋学園の同僚や生徒たち、師匠や仲間と共に音楽の話をしたりこれからの仕事のことを考えていきたい‥室長を務めている桐朋の仙台教室も ― まだ公にできていませんが ― 今年は大きな改革の時なのです .

  別に焦っているというわけではなく、なんというか、他にも大事なことがうんとたくさんある中で、「病気に自分を語らせる」のが嫌なのだと思います.それこそ病気に語らせる病気みたいで‥それが生業ならいざしらず、僕は限りある人生の残りの時間をそんなことで空費したくはありません.

 
 話が脱線してしまいましたが、そんなわけで、今回の突発性難聴の詳細?はいずれ完全復帰を果たしてから、忘れた頃にお話させていただくとして、今は、皆さまにとてもご心配をおかけしていると思うので、現在の病状と僕が日常生活で不便に感じていること(お願い)だけお伝えさせていただきます.

 おそらく後者は多くの片耳難聴の方々と共通することだと思います.周りに同じような方がいらっしゃったら少し心に留めてあげてくださいね.

 
 
 まず、僕の左耳の病状ですが、昨日の聴力検査では少なくとも数値としては入院時からほとんど改善していません.ただ、悪くもなっていません.

 会話域を含む中高音域の一部はスケールアウトし、現在の平均聴力(6分法)は87.5dbです.かろうじで聞こえる低音域の「音割れ」をカットするため、外に出かけたりレッスンをする時は耳栓をしています.

 耳鳴りは朝も夜も、24時間ずっとです.分かりやすく言うと、歯医者の待合室に居て、その外でセミが鳴いているような感じ ― ヘンな言い方ですけど、ちょっと、めんどうな友達が増えたなぁと笑

 入院とステロイドパルスで体力や抵抗力が落ちたせいもあるかもしれませんが、片耳難聴の場合は移動や会話が想像以上に疲れます.ですので、仕事はかけがえのない(要するに代わりのきかない)一部の学生のレッスンのみ、時間を決めて行っています.

 
 
 そしてここから先は(現在)片耳難聴者の僕が少々不便に感じていること ― 「不憫」ではありませんよ、くれぐれも笑 ― 僕を見かけたときにちょっと気にしてもらえると嬉しいことを具体的に書かせていただきます.
 

1.音の発生源、距離感、方向性がわからない

 たとえば、ケータイの着信音や救急車のサイレンが鳴っていることに気が付いても、それがどこで鳴っているのか、どこに向かってどのくらいの速さで移動しているのかがわかりません.また、背後や病側耳(僕の場合は左)から声をかけられても気が付かずに無視してしまうことがあります.一番怖いのはガードレールのない歩道を歩くときです.自転車はとんでもないです.
 

2.早口、張りのない声だとうまく聞き取れない

 よく言われることですが、音が「聞こえる」ことと、その内容が「聞き取れる」ことはまったく異なります.少しだけゆっくり、そしてはっきりと話してもらえると有り難いです.大きな声である必要はありません.
 

3.複数の人と同時におしゃべりができない 

 おそらく一番目と関連していると思いますが、同時に話されるとたくさん聞き損ねてしまいます.今までは何でもなかっただけに慣れるまで少し時間がかかると思います.
 

4.賑やかな場所での会話が難しい

 電車の中、駅や街中、居酒屋‥etcでの会話が厳しいです.東京ってこんなにやかましかったかな?と今さらながら驚いています.
 

5.視覚、或いは視覚的な情報処理が優位になる

 これはちょっとわかりづらいかもしれませんが、整理されていない話や複雑な話、それからポリフォニーやレパートリーでない楽曲を聴くときは、いったんそれを頭の中で活字や楽譜に起こし、そこから視覚的に理解する手順を踏みます.非常に労力を使いますが、そうでもしないと意味不明な音の羅列になってしまうので‥
 
 個人的なことを書かせていただくとソルフェージュをやっておいて本当に良かったと思いました.少なくとも聴音(音から楽譜に書き起こすこと)ができなかったら、今ごろはもう音楽を楽しめなくなっていたかもしれませんから.

 
 他にも、甲高い声や大きな音(高音)が目の奥に響くなどいろいろありますが、キリがないのでこの辺で.

 
 これからが夏本番です、皆さまもどうぞご自愛ください.

 
 

8件のコメント

  1. 先生…先生を見かけた時に気にして欲しい5つのお願い、って。
    それを知ったメイっ子だったら(例えば)わざと甲高い声で早口で話しそうで…、、
    そんな輩がいたとしたら(私が)蹴散らしてあげるからね。
    そんなメイっ子を朝、小学校に送っていますが、
    父親から「お前はいつ死んでもいい、外側を歩け」と言い聞かされているので、ガードレールのない歩道を歩く際に不安だったら私を呼んでくださいね、守ってあげるから。
    それにしても、
    歯医者の待合室に居てその外でセミが鳴いているとは…待合室は意外と静かなものです、診察室ではないか?と…それにしても今は大変ですね。。
    「人の噂も75日」と言いますけれど、突発性難聴の詳細?を完全復帰を果たしてから忘れた頃にお話し…しないでもいいんじゃないかと?もっと楽しいお話ししましょうよ(^^)!!

    お大事にしてくださいね☆

  2. ちゃまさん
    姪っ子さんはまだ小学生ですよね?子どもを叱らないでくださいね.悪ふざけ、結構じゃないですか.そういうやんちゃな子どもは(子どもらしくて)むしろ大好きです笑.お気遣い有り難うございます.

  3. メイっ子のことは、メイっ子の母親(私の妹)がしょっちゅう叱っています。。

  4. 川村さん、こんにちは!

    台風が近付いていますね。こちらは時々ザザッと雨が降ったり、そうかと思ったら晴れ間が見えたり。風はそれ程まだ強くありません。
    行方が心配ですね。

    エントリー読みました☆
    「ちょっと気にしてもらえると嬉しいこと」、勉強になります。
    少しの気遣いや思いやりでだいぶ違ってきますよね。
    私も参考にします。

    ところで。
    ステロイドって多尿になりませんか??(笑)。
    私も去年ステロイドの錠剤を飲んでいた時期があったのですが、夜それを飲むと就寝して4時間後くらいに決まって我慢出来ないくらいの尿意に見舞われて。
    それが結構つらかったデス(苦笑)。
    変な話でスミマセン。
    引き続き、お大事に。アヤ

    1. Ayaさん
      副作用の出方は人によると思います.が、僕はステロイドパルス治療だけはもう二度とごめんですね‥最後の内服薬を飲み切った時には「もう上出来、いつ死んでもいい!」とさえ思いましたよ笑

      1. 川村さん
        こちらにもお返事下さってたのですね!ありがとうございます^^
        ステロイドの治療、そうとう辛かったご様子ですね。「もう、勘弁!!」って感じでしょうか・・・。
        副作用は良い副作用と悪い副作用がありますが、兎角悪い副作用の方が出やすい気がしてます☆
        私も、ステロイドはもういいかな~(苦笑)。アヤ

  5. 川村先生、ご無沙汰しております。
    前にレッスンにお伺いしたマキです。

    人づてに先生の事を聞き、とても心配しております。

    私は急性のストレスから回転性の目眩をおこし、そんなに長い期間は続きませんでしたが、大変な思いを致しました。

    先生の耳の状態も大変お辛いことと思いますが、どうかご気分をゆったりなさって、焦らずゆっくりして下さい。

    いつかまた先生の素敵な演奏をお聴き出来ると信じておりますから。

  6. マキさん
    ご無沙汰しています.マキさんも大変だったんですね‥僕は回転性の目眩は併発しませんでしたが、入院中にマキさんと同じ症状の方が同じ病室にいらして本当にお辛そうでした.お大事になさってください.お気遣い有り難うございました.

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。