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ピアノ合宿 in 別府 ~ 観光編

 合宿の最終日は別府観光です.ここまでくると 「さぁ、あとは気楽に楽しむぞ!」 と思いたいところですが、実際には参加者の引率や監督責任があるのでそこまではしゃぐわけにもいきません.それでも午前中はスタッフが付き添ってくださったのでまだ良かったのですが、午後は内心気もそぞろというか、ゆとりがないというか‥子どものころの遠足や修学旅行の担任の気持ちが痛いほどわかりました、、汗

 

というわけで、とりたてて書くべきものはないので写真で振り返りたいと思います.
 

まずこちらは、滞在中に僕が泊まった旅館の若桜荘.
 
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 鉄輪にはこうした趣のある貸し間・旅館が無数にあって、僕もこれまでいくつもの貸し間にお世話になりました.余談ですが、写真の左に流れている用水路のような川は、掛け流しの温泉で余ったお湯を流すためにあるそうです.そして野生化したグッピーがわんさか生息しているとのこと.温泉街らしいですね.

 

 そして別府と言えば、やはり 「地獄めぐり」 です.今回は鉄輪から歩いて行ける距離にある鬼山地獄(ワニがうじゃうじゃ居ます)、山地獄、海地獄に行きました.
 

下の写真は山地獄と海地獄.
※「地獄」 は現地で温泉の意味です
 
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 ちなみにランチはコンサート前日にもお邪魔したレストラン三ツ星さんでみんなで名物のオムライス(ランチ限定)を食べました.写真はありませんが、とっても素敵なお店です.オススメです.

 

 午後は別府の誇る水族館「うみたまご」に初めて伺いました.別府はこれまで何度も足を運んでいたのですが、どうもコンサート前後には行く気になれなくて‥今回やっと悲願を叶えることができました.生徒に感謝しないといけませんね.うみたまごはコンパクトながらもよくできた水族館です.某女流ピアニストもお気に召したとか.

 

別府湾の海水で世界中のあらゆる魚が共存しています.
 
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飼育員と一緒に外を散歩しているペリカン(とてもシュールな光景)が気になっているのは‥
 
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日向ぼっこ中のアザラシ.一瞬、生徒たちのことが頭から吹っ飛びそうになりました.
 
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最後に別府湾を眺めて、最終便で無事に羽田に到着.
本当にあっという間の4日間でしたがとても有意義でした.
 
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改めて今回お世話になった皆さま、本当に有り難うございました!

 

(おわり)

 
 

ピアノ合宿 in 別府 ~ 講座&グループレッスン編 その2

 引き続きピアノ合宿です.2日目の午後は、ピアノを取り囲むようにして4時間弱ほどグループレッスンを行いました.
 
 グループレッスンでは、それぞれの作品のスタイルや音型に適していると思われる肘や手首の使い方に焦点を絞りました.ペダルを除くと、言うまでもなく、楽器と自分との接点は常に指先にあります.けれども、意識が小手先に片寄っているうちは ─ それでも自身の指の動きに気を配れるだけまだいいほうかもしれませんが ─ いくら練習を積んでもありきたりな音しか出せません
 

 もっとも、僕自身は、ありきたりな音しか出ないことそのものよりも、ありきたりな音しか出ていないのにそこに注意が及んでいない状態のほうが問題としてはより深刻と考えています.ですから、奏法を知ることはもちろん大切なのですが、それを習得するためには常に自身の耳が研ぎ澄まされていることが必要で、そのことを前提に指導をしているつもりです.しかしながら、狭いレッスン室の中で、しかもマンツーマンのレッスン形態でそれを実感してもらうには正直限界があります.実際、グループレッスンの参加者の感想で 「普段のレッスンで指摘されていたことがようやくわかった」 という意見が少なくなくありませんでした.彼らが今後どのように変化していくのかはまだわかりませんが、少なくとも僕にとってはグループレッスンのメリットを十分に感じ取ることができました.
 

 また、当初は想定していなかったものの、もう一つのグループレッスンの効果として、下記の 「気付き」 がありました.個人的にも改めて深く考えさせられたことですが、それは次の2点です.
 
1.同じアドヴァイスでも、理解の仕方や受け止め方は人によって異なる
2.理解の仕方や受け止め方が同じでも、実際のアプローチは人によって異なる
 
 文才がないのか、こうして文字に起こしてみると、何かこう今一つ盛り上がりにかける感がしないでもないのですが‥まぁそこは読んでくださる方の想像力に期待したいと思います、、汗
 
 つまるところ、奏者として、或いは指導者として長く成長し続けるためには、「事実を客観的に、正しく理解すること」 が重要なのではないかと.もっとも、音楽で他者に何かを伝えるためにはある種の 「思い入れ」 が不可欠です.けれどもそこに自分よがりなクセが混じってくると、それは 「単なる思い込み」 で終わってしまいます ─ 齢をとると妙に実感するのですが(というか、そんな前置きをしている自分がちょっと切ない‥)、自ら作り上げた固定観念に縛られている時ほどしんどいものはありません ─ 反対に、その思い込みから抜け出し、周囲のさまざまな差異や変化を認めながら自らの考え方や弾き方を改めていくことで、音楽がより奥深く感じられるのではないでしょうか.
 

 早いもので大学も新年度を迎えました.また気持ちを新たに頑張りたいと思います.

 

滞在中、朝の散歩で別府・鉄輪を一望しました.
2枚目の写真は両親の滞在したホテルの部屋から.
 
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ピアノ合宿 in 別府 ~ 講座&グループレッスン編 その1

 ピアノ合宿の2日目は朝から夕方まで、じっくり時間をかけて講座やグループレッスンを行いました.
 
 まず午前中は、2, 3名ずつの班に分かれて予め指定した課題を含むいくつかの作品を分析してもらい、ランダムに発表しながら皆でより良い演奏のあり方を模索しました.ただし、「分析」 という言葉で拒絶反応を起こされたり、逆にヘンにのめり込まれても困るので、楽曲分析はあくまでも実践を重視した基本的なものに留めました.
 
 一例を挙げると、メロディーラインや縦の音の配列から作曲家の想定した具体的な響きを想像することや、作品全体、或いは各パラグラフ・フレーズの中心点(重心)を見据えて、前後の音楽的なエネルギーの変化を考察すること等 ─ もっとも、和声分析をはじめ入念なアナリーゼによって得ることのできるある種の作品への理解の深まりを否定はしませんが ─ 今回はあくまでもホールのピアノを使いながら、自分たちの解釈がどのように響き渡るのかをリアルタイムに実感してもらうことを主目的としました.

 

前日にコンサートをしたホールなので緊張感があります‥
 
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 ちなみに、取り上げた作品は、マスカーニの「間奏曲」 (オペラ 『カヴァレリア・ルスティカーナ』 でおなじみですが、原曲はなんとピアノという‥)、ブルグミュラーの18の練習曲から「アジタート」、「ゴンドラ漕ぎの歌」、そしてモーツァルトのソナタK. 311 の第2楽章の計4曲です.自分で選んでおきながらなんですが、正直、物足りなさを感じるであろう選曲であることは否めません.というのも、いずれも弾き方さえ教えれば小学生でも演奏は可能で、音大生なら初見で弾けてもおかしくないような曲だからです.
 
 ところがどっこい、実際にやってみるとたったこれだけの課題でもほぼすべての曲でタイムオーバー.とはいえ、まぁそれほど驚くことでもありません.そもそも、いざその場で楽譜を渡されて自力で一から音楽を構築していくとなると、思ったほどは曲のイメージが頭に浮かんでこないものです.ましてや演奏ともなれば、作品云々より自分の弾き方が聴き手にどんな印象を与えているかに気を取られてしまい、音楽の内容を伝えたり共に愉しむどころでなくなってしまう.良し悪しは別として、それが普通です.でも、もしも事情を知らない方がこの場に同席されていたら、「前日の発表会ではもっと難しい作品をのびのびと演奏していたのに一体どうして?」 と不思議に思われたかもしれません‥
 

 もうお分かりかと思いますが、これが今の一般的な生徒たちの本当の意味での 「音楽の実力」 と僕は認識しています.もちろん、一人一人がこれから変わろうと努力すれば良いわけで、現状をそこまで悲観したり嘆くつもりはありません.それに、ここに至るまでの教育や社会的背景を考えれば、決して彼らばかりに問題があると責めることはできません.けれども、いずれにせよ、このままいつまでも借り物の演奏を続けたり、先生のアドヴァイスをただ素直に聞くばかりでは、音楽をするうえでもっとも大切で不可欠なスキルを身につけることのないままクラスを卒業していくことになる.それだけは絶対に避けたいので、僕は彼らが自分たちの課題と正面から向き合い、それを克服するために必要な経験を自発的に重ねていくきっかけを与えたいと常に考えています.そしてこの合宿ではそれを今の僕なりに精一杯体現したつもりです.果たして伝わったのか、届いたのかは残念ながらまだ少し懐疑的ですが(なにしろ初めてなものですから).

 
 ちなみに、念のためですが、上記の 「経験」 とは、ひたすら難しい作品にチャレンジしたり、早く曲をマスターするために初見の能力を鍛えるといった荒業のことを指すのではありません.僕が自分の教え子に望んでいることは、あくまで音楽に深く共感したり、心から感動できる要素を自らの力で作品の中から見つけだせるようになることです.したがって、より重視するのは音楽作品そのものに対する洞察力や想像力を高めるための実践的な経験です.
 

 経験 ─ 体験したことから自ら学んだこと ─ が、その人の 「感性」 や 「審美眼」 に影響するのであれば、長くピアノを続けていくにあたって、意義のある経験を積むことがいかに大切であるかは自明です.それぞれのライフステージよって感じ方は異なるでしょうが、生徒たちがその時その時に本当に伝えたいもの、或いは伝えるべきことを自覚し、自分なりの音楽のヴィジョンを持つ─ もっともこれが本来のクラシック音楽の演奏の初めの一歩となるのでしょうが ─ そうして自身の力で音楽と共に歩んで行けるようになってくれたら本望です.

 

 と、つらつら書いているうちに疲れてきたので、グループレッスンについてはまた改めて.

 

(つづく‥)

ピアノ合宿 in 別府 ~ コンサート編

 前泊を含め延べ4日間にわたるピアノ合宿 in 別府 をお蔭様で無事に終えることができました.連休にもかかわらずホールや宿泊施設の手配を快く引き受けてくださった冨士屋さん、そしてコンサートの進行はもとより、偏食する学生たちのために栄養満点の夕食を作ってくださったトータルブレインのスタッフの方々、さらに合宿を盛り上げてくれた全ての皆さまに心から感謝致します.
 

 ところで 「なぜにピアノ合宿なんですか?」 と、いろいろな方に尋ねられました ─ まぁ悪意はなくとも素朴な質問に真剣に答えるにはとてつもないエネルギーが要るもので ─ その都度つい 「もののはずみで‥」 などといい加減に答えていましたが、それはもちろん冗談です.本当は、僕自身が従来の、或いは今の教育プログラムやレッスンのスタイルにある種の限界を感じていたからです.正直、教え始めて間もない頃の自分は、レッスンを通して曲のつくりやピアノの弾き方を一方的に伝えることでどこか満足していました.あまり認めたくはないのですが、その頃はピアノや音楽を通して彼らがなにを感じているのか(或いはいないのか)ということを省みず、ただ教えている自分に酔っていたようにも思います.
 
 けれども、音楽大学の仕事に少しずつ馴染めるようになった3, 4年ほど前からは、「このようなやり方を続けていては生徒たちがこの先も音楽的に自立できないまま終わってしまうのでは?」 と危機感を抱くようになり、また、自分の中でも 「単にものを説明するだけの先生では終わりたくない」 という想いが募るようになりました.仕事が人を育てるという言葉がありますが、今振り返ると、桐朋学園で教鞭を取るようになったことで一指導者として成長させて頂けたように感じます.
 
 と、まぁそうした経緯があって今回のピアノ合宿と相成ったわけですが、当然ながら僕一人ですべてを賄うことはできませんので、古くからお付き合いのある(なんと学生時代から!)大分の方々のご協力を得ながら、約半年の準備を経てようやく開催にこぎ着けました.めでたしめでたし.
それでは初日に行われた門下生による発表会とリサイタル、そしてプライヴェートコンサート等を写真でゆるりと紹介したいと思います.

 

まずは会場のある冨士屋さん、登録有形文化財です.
 
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中はカフェにもなっていて、レトロな趣がとっても素敵です.
学生たちがはしゃいで物を壊したりしないかヒヤヒヤしました‥
 
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前日18日は生憎の雨でしたが、コンサート当日は快晴.
鉄輪のいたるところで僕のチラシを見かけました.
 
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17名の門下生による発表会では、初めての会場にもかかわらず、皆ホールの
響きを生かしながらのびのびと演奏していたように思います.改めてお疲れ様でした.
 
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教え子たちの発表会に続いて僕のリサイタル.毎回聴きに来てくださる方も
いらっしゃって満席でした.それにしても生徒の前で弾くと妙な緊張をしますね‥

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そして夜は愛すべき子どもたちにささやかなコンサート.
 
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本当に盛りだくさんで有意義な一日でした.
(つづく‥)

明日から別府です

 年をとるにつれて回復力が落ちるというのはどうやら本当で、述べ9日間にわたり ─ どうしてもやらなければならない最低限の仕事のみこなしつつ ─ グズグズ&モソモソしてしまいました(丸4日もピアノが弾けないなんて!).やはり身体がままならないと気持ちまで萎えてしまってダメですね.お陰様でだいぶ良くなりましたが、心身一如、まだまだ人としての修行が足らないようです.
 
 話は変わりますが、近所のスーパーで何気なく買った昆布茶がとても美味でこのところ毎日飲んでいます.万が一売り切れると困るので商品名は書きませんが、原材料は北海道の根昆布と天然の塩のみ.最初に一口飲んで 「あぁやっと理想の昆布茶が見つかった」 と思いました.お気に入りはこの昆布茶に福井産の白干し梅(梅を塩だけで漬けた梅干)を丸ごと一個投入して頂く飲み方です.一日の終わりに飲むとホッとします.
 

 さて、明日からいよいよ別府で、明後日からコンサートと合宿が始まります.今日は門下生たちを集めて最後の弾き合いをしました.普段は人前に出るとおとなしい教え子たちもさすがに今日は少し緊張感がありました.それはともかくとして、こうしてそれぞれが同じ目標に向かって真剣に打ち込んでいる様子はなかなか美しいもんだなと思いました.
 
ちなみに門下生による発表会は19日(土)12時00分から、リサイタルは同日16時00分からで、いずれも 冨士屋 Gallery 一也百 にて開催させて頂きます.お近くの方は是非お運びください!

 

数ヶ月ぶりに近所の公園のカモを眺めて和んできました.
いやぁ、まったく‥言葉を失うほど心が和みました.
 
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つるが海響コンサートから別府の音楽合宿へ

 ようやく3月になりました.「ようやく」と書くのは例年12月から2月にかけてあらゆる仕事が立て込むためで、だから取り立ててどうというわけではないのですが‥それでも無事に3月を迎えられるとなんとも言えない安堵感を覚えてしまいます.
 
 さて、つるが海響コンサート2016 ENJOYピアノ協奏曲 にいらしてくださった皆さま、有り難うございました.オーケストラとのピアノコンチェルトが聴けるということもあってか、1階席には立ち見も出ていましたね.
 
 しかしながら、言うまでもなく、音楽会はプレイヤーと聴衆だけでは成立しません.今回の公演では、ぽーとあい敦賀市文芸協会、つるが海響コンサート実行委員会の皆さまをはじめ、この企画に賛同してくださった多くの方々が知恵を出し合って協力されたと伺っています.さらに僕の目の届く範囲だけで公演当日にどれだけ多くの方が動いてくださったか‥本当に頭の下がる思いです.
 
 そして、この公演で福井大学医学部管弦楽団(指揮:高谷光信氏)の水準の高さに驚かれた方も多いことと思います、何を隠そう僕もその一人です.医学部の勉強とオーケストラとの両立は聞けば聞くほど困難を極めるものだそうですが、彼らのパフォーマンスは専門家をも凌駕するほどの直向きさと音楽の歓びに溢れていました.今回、一奏者としてまた新たに学ぶきっかけを頂けたことに感謝すると同時に、地元福井にこのような生きた音楽を奏でる学生オーケストラがあることを心から誇りに思っています.

 

前日のリハーサルの様子.この日はオケに感化され閉館まで一人でさらいました.

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 ところで、今月の18~21日は別府は鉄輪にて門下生や卒業生を集めて初の音楽合宿を行います.メインは19日(土)、大分の文化財にも指定されている冨士屋 Gallery 一也百 にて開催される17名の教え子たちによる発表会とピアノリサイタルです.
 
 ちなみに冨士屋さんとはかれこれ10年来のお付き合いですが、もともと別府市は桐朋学園大学在学中に参加したアルゲリッチ音楽祭がきっかけで因縁浅からぬ場所となった経緯があります.今度の合宿中にはコンサート以外にも皆で名物の地獄蒸し(料理)を体験したりグループレッスン等を予定していますが、こちらも学生時代(!)からお世話になっている長いお付き合いの現地の皆さんがスタッフとしてサポートしてくださいます.本当に有り難いことですね.
 

 今週末からまたイベントが続きますが、体調に気を付けてしっかり頑張ろうと思います.皆さまもくれぐれもお大事にお過ごしください.

 

3年ぶりの別府公演、お近くの方はぜひ!

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音楽の旅

 2月も終わりに差し掛かっていますが、今朝はバルコニーに雪が積もりました.温暖化と言われてはいるものの、近年は東京の雪が珍しくなくなってきたようです.余談ですが、雪が積もると普段からひっそりとしている家の中がさらに静まり返ってとても快適です.このしんとした空間で鈴(仏具)を鳴らすとどうにかなってしまいそうなほどゾクゾクします.
 
さて、相変わらず目まぐるしい日々を過ごしていますが、先週は今の住まいに引っ越しをしてから2度目の契約更新をしました.これで丸4年が過ぎたことになります.最近は留守も多いうえにもっぱら寝に帰るだけの日もあるので、そんなに長く住んでるのかしらと釈然としないのが正直な心境です.けれども一方で、今のライフスタイルに少し慣れてきたかなと思うことがあります.以前だったらとてもこなしきれなかった量の仕事を今は当たり前のようにこなしていますし、あんなに苦手だった外交的な立ち振るまいも昔に比べてだいぶできるようになってきました.もっとも今でも決して楽ではありませんが、自分のためにも相手のためにも、仕事上の辛いことはさっさと慣れてしまったほうが賢明なのかもしれません.
 

 ちなみにこの日曜と月曜には福井県新人演奏会オーディションの審査やマスタークラスを担当させて頂きました.こうした仕事をさせて頂くようになり、「後進のために僕にできることは何だろう‥」と自問自答する機会が増えましたが、なかなか答えは見つかりません.それだけならまだしも、僕から見て、音楽を志す若い奏者たちが今、何を感じ、何を学び、何を目指しているのか ─ 言うまでもなく演奏や音楽活動の根本的な動機です ─ それが掴めずにもどかしさを感じることが多いです.そうした意味では、趣味で続けている学生や大人は良い意味で貪欲なのでそのような心配事が少ないのですが.まぁいずれにせよ自分なりの答えを地道に探し続けるしかないのでしょうね.
 

そして昨夜はヤマハ銀座スタジオにて行われた「音楽の旅」シリーズにピアニストの三輪郁先生と共に出演させて頂きました.1月末のモーツァルトから打って変わって、今回は「愛と死」という壮大なテーマ.終わったから書けるのですが、今回の準備は精神的にとても苦しかったです.物理的な課題もあったのですが、僕の中では「愛」も「死」もどこかタブーというか、まともに言葉で語れるようなものではないと思っていたので、考えれば考えるほど、作品と向き合えば向き合うほど息が詰まりそうになってしまって‥と、そんな話をしたら、意外にも三輪先生も同じようなことを話されていたので妙に安堵しました.そのせいかはわかりませんが三輪先生とご一緒したマーラーのアダージェット(連弾)では、そこに至るまでの苦しみに耐えた心(←大袈裟)を解放してくれるかのような心地良さを感じることができました.そして今回は都心での公演ということもあってか、教え子や卒業生、他門下の学生等がたくさん聴きに来てくれたのも嬉しかったです.あまり多くの言葉を交わすことはできませんでしたが、彼らの表情を見ていて、やはり大切なことは言葉よりも演奏で伝えるほうが僕には合っているのだろうなと改めて感じました.

 

さて、今日はこれから大学の公開試験の審査です.そして週末はいよいよラフマニノフのコンチェルト.それが終わればようやく2日間の休みを頂きます.久しぶりに?実家で親とゆっくり過ごす予定です.それでは週末の日曜日は敦賀でお待ちしています!

 

ヤマハ銀座スタジオはすっきりとした響きでした.
 
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今朝は早くに目が覚めてしまったので、散歩がてら野鳥に癒されてきました.
 
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こちらは群れから一羽だけ寄ってきた愛くるしいハト.
 
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2月の演奏会、イベントのご案内

 気が付いたら立春も過ぎ、心なしか風が生暖かいようなそうでもないような.そんな中、7日(日)には大野ピアノメソッドお茶の水教室サロンにてマスタークラスを開催させて頂きました.いつもながら受講生の皆さんは大変熱心に取り組んでらっしゃったのでとても気持ちの良い一日でした.また、昨日は3日間にわたって行われた大学入試の実技試験の審査を終え、久しぶりに家でほっとひと息つきました.でもこの週末は上大岡エキスパートレッスンやコンチェルトの初合わせがあるためまだまだ気は抜けません‥
 
 さて、今月のイベントのご案内をさせて頂きます.まず、2月22日(月)はハーモニーホールふくい(リハーサル室)にて、マスタークラスをさせて頂きます.10時00~16時20分の予定で聴講料は500円(当日支払・事前申し込み不要)となります.小学生以上の方ならどなたでも聴講できます.尚、前日21日(日)には小ホールにて福井県新人演奏会オーディションの審査があり、こちらは終日入場無料で聴くことができます.
 
 その週の24日(水)、ヤマハ銀座スタジオ(ヤマハ銀座ビル地下2階)にて開催されるシリーズ 『8人のピアニストによる音楽の旅 連続演奏会』 にピアニストの三輪郁先生とジョイントで出演させて頂きます.「愛と死」をテーマにそれぞれソロを演奏させて頂いた後、マーラー / 交響曲 第5番 第4楽章「アダージェット」(連弾)を三輪先生と共演させて頂く予定です.こちらは19時00分開演で、まだチケットの予約を受け付けております.出演者を通してご予約頂ける場合は一般券が割引になりますが、オフィシャルウェブサイトから私へお申込みされる場合は20日(土)までにお願い致します.
 
 最後は28日(日)、敦賀市民文化センター大ホールで開催される『ENJOY ピアノ協奏曲 ~ピアノとオーケストラが織りなすピアノ協奏曲の華やかな世界』.高谷光信氏指揮、福井大学医学部管弦楽団の演奏でラフマニノフのピアノ協奏曲 第2番を共演させて頂きます.とてもリーズナブルなお値段でオーケストラやピアノコンチェルトが聴けますので皆さま是非お気軽にいらしてください.

 

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 ちなみに、4月以降の上大岡エキスパートレッスンのお申込み受付は2月15日(月)10時開始となっております.詳細はウェブサイトのスケジュールをご覧ください.
 

それでは皆さまもどうぞ良い週末をお迎えください.

 

 先月、モーツァルトのコンチェルトを演奏した翌日、両親と新宿界隈を散歩しました.
まだ肌寒い時期でしたが早咲きの桜がちらほら咲いていました.今ごろは満開でしょうね.
 
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モーツァルトとモダンピアノ

あれよあれよという間に高校・大学の卒業試験が終わり、昨日は東京ガルテンシュタット管弦楽団の第70回定期演奏会に出演させて頂きました.
 
今回演奏したのはモーツァルトのピアノ協奏曲 第25番 ハ長調 K.503 で、どちらかというと国内では取り上げられる機会の少ない作品ですが、個人的にはよくこの作品を選んでくださった ─ 通常ピアノコンチェルトの演目をソリストが決めることはありません ─ と感謝の気持ちでいっぱいです.
 
とはいえ、今回もモダンピアノで古典派を弾くことの難しさを痛感しました.よく 「古典は基本」 と言いますが、僕自身は、現代のピアノで古典派を演奏するのは実はとても難しいことなのではないかと思っています.当然と言えば当然ですが、少なくとも近年のコンサートグランドは古典を弾くために設計されているとは思えませんし、(ハイドンやスカルラッティは別として)ベートーヴェンやシューベルトに至っては、そもそも作曲家の想定していたであろう響きが鍵盤楽器のそれとは思えない作品も珍しくないからです.そうした意味で、僕にとって古典派の作品、とりわけモーツァルトの作品をモダンピアノで表現するということは決して容易なことではありません.
 

もっとも、現代のピアノが以前に比べてパワフルになり、また、音色の変化がつけやすくなったことは歓迎すべきことです.総合的に考えればメリットの方が圧倒的に大きいことは疑いもありません.しかしながら、ことモーツァルトに関しては、僕は楽曲の本来の品格を損ねない素朴な、けれども内的に豊かなニュアンスをつけるために、タッチはもとよりウナコルダやダンパーペダルを細心の注意を払いながら多用するため、(報われるかどうかはさておき)どうしても手間や仕事量が増えてしまいます.個人的にはこうしたアプローチをする目的はいわゆる「ピリオド奏法」のそれに近いと自己正当化を図りたいところですが ─ 誤解のないように捕捉をさせて頂くとピリオド奏法はチェンバロやフォルテピアノの奏法・響きを真似ることや「懐古主義」とは異なります ─ なにゆえこのようなしちめんどくさい思いをしてまでこだわるのかというと、それは単純にモーツァルトの魅力を知ってしまったからなんですね.
 

正直、モーツァルトを弾きながらいつも感じるのは「これは一生かかっても上手く弾けないだろうなぁ」という軽い諦めと脱力感(笑 けれども真面目な話、難しければ難しいほど勉強のしがいがあるのもまた事実です.それに、簡単にできてしまうことはもうあまりおもしろいと感じない‥そんな年齢になってきたのだと思います.
 

何はともあれ、昨日のコンサートでは団員の皆さんが本当に楽しそうに本番で演奏してくださったので僕も嬉しかったです.打ち合わせの段階からたくさんの我がままを聞いてくださった指揮者の末永隆一先生、そしていらしてくださった皆さんにもこの場を借りて御礼申し上げます.どうも有り難うございました.

 

会場の大田区民プラザ大ホールはスッキリした響きでした.
写真にはありませんが控室の昭和の雰囲気にテンションが上がりました.
 
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クラスコンサート vol. 7 を終えて

今朝は雪の影響で都心の交通機関はほとんどパニック状態でした.別に得意気になっているわけではありませんが、福井育ちの身としては、たった数センチの積雪でどうして毎回こんなに混乱をきたすのかとつい首を傾げてしまいそうになります‥
 
けれども、まぁそうは言っても同じ地域に暮らしていれば皆お互い様でもあるわけで ─ 確かに都市の抱える脆弱性は問題ですが、実際はそんな事は百も承知で住んでいる人が大半なのかなと思ったり ─ いっそこのような日には日頃のおだやかな天気に感謝するくらいの心持ちで過ごせたらいいなぁと個人的には思います.
 

さて、更新が遅くなりましたが、お蔭様で7回目のクラスコンサートも無事に終えることができました.協賛してくださったカワイ音楽振興会の皆さま、スタッフの皆さま、そしていらしてくださったすべての方々にこの場を借りて御礼申し上げます.
 
今回は43名の教え子たちがそれぞれ思い思いの演奏を披露してくれました.個々の演奏については僕もいろいろと思うことはありますが、一人ひとりが自身の理想とする響きや音楽を貫いたという点でとても頼もしく感じられました
 

また、聴きにこられた方々からはさまざまなご感想を頂きました.とりわけ多かったのは 「同じ楽器とは思えないくらいに弾く人によって響きが違う」 という意見です.もっとも演奏者自身の持ち音や訓練によって磨かれた音色に一つとして同じものはありませんが、今回のクラスコンサートでは、そういったバラエティに富んだ個性や技能とともに Shigeru Kawai (SK-EX) のポテンシャルが非常に高かったということを付け加えておきたいと思います.
 
正直、このような素敵な会場を使わせて頂けるのはとても恐縮なのですが、これからも教え子たちとともにさらに精進し、コンサートも出来る限り長く続けて参りたいと思います.今後ともどうかご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます.
 

美しいカワイ表参道のサロン、来年もまた開催できますように‥

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