20210522

ヤモリ暮らし

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 東京は今にも梅雨入りしそうな空模様が続きます。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 僕はというと、こころはおだやかですが、先月下旬からの気圧の乱高下にからだが振りまわされています。こうしてブログを綴っている間も、知らないうちにアップデードされたアラートが頭の中で鳴りっぱなし。なんの自慢にもなりませんが、この「人体天気予報」の精度の高さにはわれながら感心すらおぼえます。よくがんばってるなぁと‥呆 

 そんなわけで、このひと月ほどは交感神経と副交感神経の拮抗によりいつにも増して不自由さを感じますが、まぁ不自由なりにやれることを見つけては淡々とこなしています。
 

 ところで話はかわりますが、先月、自宅2階のバルコニーで、衰弱しているニホンヤモリを保護しました。実は2年前にも足の麻痺したニホンヤモリの子どもを玄関先で拾って世話をしたことがあり ― その子はけっきょく1ヶ月ほどで死んでしまったのですが ― 今回も同じ要領でケアしました。

 おかげさまでニホンヤモリ(以下、ヤモリ)は見るからに健康的な体型に戻り、連休後には2度も脱走するくらいにまで元気になりました。そしてそろそろ天気のいい日に逃がして大丈夫かな‥と思っていた矢先、思いもよらない事件が起こりました。
 

 それは先週土曜の晩。いつものように雨戸を降ろしてヤモリの居るケージをのぞくと、なんだかいつもと雰囲気がちがう。考えるよりも先に、つまり直感で、ただ事ではない異変を感じました。

 よくよく目を凝らすと、黴にしては立派すぎるマシュマロのような物体が2つ。そしてそのかたわらには賞味期限切れのもやしみたいに伸びきったゴム、じゃなくてヤモリがうずくまっているではありませんか!

 さらに懐中電灯でおそるおそる中を照らしてみると、それは疑う余地のない、そう、紛れもなく卵を産み終えたばかりの母ヤモリなのでした。

 なんと感動的な‥いやいや、なぜに今?どういうこと!?というかぜんぜんそんなつもりじゃなかったし ― おい、どうすんだよこれ!おいっ!(心の声)― 想定外にあわてる男子。ザ・手遅れ。あとの祭り。

 とにかく先のことを案じている暇はありません。すぐにネットで調べて母体は別のプラケースに急きょお引っ越し。そして産みつけられた2つの卵は、有精卵の可能性がゼロとは言い切れないため我が家でもっとも丁重に管理されることとなりました。
 

 余談ですが、ニホンヤモリは一般的にとても臆病で、脆弱な生き物です。コミュニケーションもとらなければ、子育てもしないと言われています。共に暮らすのであれば「阿吽の呼吸」を身につける覚悟で向き合うこと‥うん?それってピアノも同じか(心の声その2)。

 最近は便利が過ぎてこころが退屈するのか、ペットを飼い始める人が増えていると聞きますが、そもそも自然界には人が思う以上に人間を怖がり、ディスタンスを保ちながら暮らしている生き物たちがたくさんいます。僕もそうかもしれませんが、ゴホン!

 何はともあれ彼らの領域を尊重する。無理に懐かせようとしない、懐かせようとも思わないこと。それが僕が示すことのできるヤモリへの最大限の愛情と考えています。

 
 ただ、このヤモリを観察していると ― ジロジロ見るわけにはいかないので、流木の影から尻尾だけ確認するとかそんなかんじですけど ― その臆病さと脆弱性ゆえに、これまでどう生きるのが最善かを自ら学習し、体得してきたのだなぁとある種のシンパシーを抱かずにはいられません。不調和な環境下で、人間よりもずっとシンプルに生きる力を本質的に備えている。ほんとすごい。

 見方によっては生産性のない日々。でも、あまりごちゃごちゃ考えても仕方がありません。今は精神の森を散歩しながら、ゆっくりと根を広げる時期ととらえたいです。そしてこの贈り物のようなヤモリ暮らしとともにあらためて一日一日を大切に乗り越えて生きたいと願う、そんな今日この頃です。

追記
肝心なことを抜かしていましたが、本日5月22日は国際生物多様性の日。
生きとし生けるものに安らぎが訪れますように。
 

写真の説明
時間だけはあるのでいろいろな野菜を育てています。
これは小松菜と豆苗。なんだか学生時代に戻ったような気分です。

2件のコメント

  1. でもその母ヤモリ、
    川村産婦人科を選んで本当に良かったね…子供が産まれたら、
    その子供達の面倒も診るのですか??
    父ヤモリとかも出てきたらどうするんですか?世話するんですか?ジィさんバァさんヤモリとかもいるんだろうか!?

    私は以前、
    千歳烏山駅のホームでトノサマバッタに猛烈なアピールされたことがあって…いまだ脳裏に焼きついています。私自身は非常にバッタに縁があって、
    自宅のピアノの後ろの窓にバッタが(おそらく飲まず食わずで…)1ヶ月近く張りついてたけど、川村先生みたいにケアしないでずっと放ったらかしにしてたら、見るからに干からびていきながらいつの間にかいなくなってたことがあります。かわいそうなことしたかな?
    バッタのエピソードはまだまだありますが、この辺で。

    だんだん梅雨になりますかね、
    自転車しか乗れない私にとってはちょっと憂鬱です。
    体調管理はしっかりしていきましょう(^∇^)!

  2. 今日テレビを見ていたら、

    (コロナ関連で…)政府も注目している“福井モデル“とのこと。それは何か?と思って見ていたら、
    福井県は感染者数が一桁以下が今のところ続いているそうです。
    それは(マスク会食はもちろんですが、)
    感染経路をほぼ完全に特定しているため(98%と言ってたかな?)いろいろな対策を打ちやすくなっているとのことです(←重要と思う。)
    そして福井県知事がおっしゃるには、
    「何ができるか?ではなく、何をすべきか」の段階までしっかり考え、それを実現していくことを心掛けているとのことでした。
    さすが!って感じ。この「考え方」ってコロナだけに限らないですよね?と思いました。
    あと、あわら温泉のとある旅館のリーダーがおっしゃるには、
    「ディズニーランドやUSJには勝てないとは思いますが精一杯の対応をさせていただきます」とのことで、その心構えに感動。
    (今は知りませんが…)以前に福井県が幸福度No.1とのことで、なぜだ!?と思っていましたが、なんか分かるような気がしました。

    だから、
    ヤモリが健康に育つまで(ディズニーランドやUSJくらいの)対応をして「何をすべきか」を考えて育て上げてくださいね。

    私は新しくできたアトラクション、ディズニーランドの美女と野獣やUSJのスーパーマリオにメイっ子達と行く日が待ち遠しいです⭐️

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