20211104

休聴日に思う

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 今日は久しぶりの休聴日。休聴日とは、文字通り聴覚を休める日です。

 僕にとって「聴かない時間」は聴く時間と同じくらい大切で、これは昔から変わっていません。変わったことといえば、聞こえていた頃は(聴覚を休めるために)耳栓をつけていましたが、今はプラグを外すようになったことです。

 これで耳鳴りが治まれば言うことなし!‥と言いたいところですが、奴はそう生易しくないというか、常にパワフルです。まぁ考えようによっては苦楽を共にした仲でもあるので、もう一生ものと諦めています。念のためですが、諦めるとは、ものごとを見定めて受け入れるという意味です。
 

 ところで、先週はメランデ・ピアノ三重奏団のチャリティーコンサート※にお招きいただき王子ホールへ行ってきました。コンサートの細かい感想は facebook に書こうと思いますが、アンコールの最後はやはり「ラデツキー行進曲」で、お約束の手拍子でした。

 すぐそばに座っている女の子のご両親が(彼女のために)一生懸命そのリズムを伝えようと奮闘されていたので、僕もできるだけわかりやすくオーバーに手を叩いていましたが、楽想がおだやかになるところでは手拍子を控えるというルールを知らず赤っ恥をかいてしまいました(笑)

 白状すると、そもそもこの日まで、ラデツキーマーチの手拍子について深く考えたこともなければ大して関心も持っていませんでした ― 幸い質問を受けることこそありませんでしたが ― もし手拍子の理由について聞かれたなら「そういう伝統というか文化なんでしょ?」とか「楽しげで結構なことじゃないですか」と答えていたことでしょう。

 でも、実際にやってみて目からウロコだったのは、音楽に合わせて手拍子をすることにより聴衆側もプレイヤーとして演奏している感覚が容易に得られるということ。つまり手拍子さえできれば誰もがステージ上のメンバーと共演することができるんですね。実際、舞台上のヴァイオリニストやチェリストが顔の表情などを工夫して、こちら側にいる奏者たちにやさしく合図を送っていました。

 余談かもしれませんが、この日の音楽会に集まった聴衆は、本来的に音楽がお好きな方ばかりとお見受けしました。が、もしかすると普段は生のクラシックのコンサートに足を運ぶことを躊躇したり、どこか敷居の高さ(音楽の内容ではない)を感じて敬遠してしまう方もいらっしゃったかもしれません。

 もっとも静かにコンサートを楽しみたい方もいるでしょう。その気持ちは僕もよくわかります。一方で聴きたい人がシンプルに、それぞれの自然体で音を愉しめる、自由な聴き方が許容される‥そんな音楽会が増えてもいいのではと素朴に感じた一夜でした。
 
オーティコン みみともチャリティーコンサート2021
 

写真の説明
先週おかげさまでヤモリの親子を無事に放すことができました。
完全無農薬&ほったらかしの庭には小さな虫がうんといるので安心です。
懐かないように育てはしましたが、いつか里帰りにきたら歓迎しようと思います。

 

4件のコメント

  1. 川村先生
    ご無沙汰しております。
    耳鳴り本当に大変だとお察し致します。
    私は3年前から耳鳴りを発症し聴力も落ちてしまいました。
    風邪を引いている時に飛行機で移動したのが原因で、まさかずっと耳鳴りが続くとは思わず自然に治ると思っておりました。
    今は少しでも耳鳴りが小さくなれば良いなと思っております。先生もどうぞお大事になさってくださいね。
    ヤモリを飼っていらしたのですね。
    以前赤ちゃんヤモリが家に迷い込んできた時にちょっと怖くて空き瓶を使って捕まえて直ぐに外に逃した事を思い出しました。
    懐かないように育てるのは懐いてもらうより難しそうですね!

  2. 近所の本屋さんで買った、

    サン=テグジュペリの童話、
    「星の王子さま」の第21章が頭に浮かびました…

    「飼い慣らす」という言葉について書いてあったのですが、
    王子さまとキツネがそのことについて話しているのですが、
    忘れたのでまたちょっと読んでみようと思います⭐️

    うちなんか、
    ヤモリじゃなくてゴキブリが出てくるからほんとにヤダ。
    母親がガンガン足で踏み潰してます。

  3. 川村先生

    こんにちは。
    今週後半あたりから、寒くなるようですが、お元気でお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。

    耳鳴りは治りません、とお医者さんから言われた時はちょっと驚き、キーン、ザーッと鬱陶しいですが、うまくつきあっていくしかないかなと思っております。

    ヤモリ…「家をまもってくれるんよ」と昔父が言っていました。
    いまの家に越してきて、音のクレームが2度来てまいっていた時に、玄関にヤモリがいまして、生徒さんのお父さまが「ヤモリです、先生!!もう安心ですよ!ヤモリがまもってくれます!」と励ましてくださったのを思い出しました(笑)

    クラシックのコンサートでも、どなたでも「知ってる、この曲!」と身近に感じられる、わくわくする…そんなコンサートが増えていくといいなあと思います。

  4. マーライオンさん
    僕の場合は耳鳴りは心身のコンディションによっても左右されますが、何かに集中している時にはあまり気になりません。逆に気になりだすと悪循環に‥

    ちゃまさん
    「星の王子さま」のキツネの台詞はとてもふかく切ない。これまでいろいろな訳で何度も読みました。

    シャンシャンさん
    コメントありがとうございます。
    耳鳴りとは良くも悪くも腐れ縁の友だちと思っています。

    >クラシックのコンサートでも、どなたでも「知ってる、この曲!」と
    >身近に感じられる、わくわくする…そんなコンサートが増えていくといいなあと思います。
    そうですね、心にとめておきますね。

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