なぜ音楽をするのか

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     お蔭様でエキスパートレッスン受講生による発表会とピアノリサイタルを無事に終えることができました.お越しいただいた方々、きめ細かいサポートでコンサートの進行をお手伝いしてくださったピアノフォルテ上大岡のスタッフの皆さまに改めて感謝申し上げます.
     

     第1部の発表会では、講師としてだけでなく、一聴衆として受講生の奏でる響きに耳を傾けながらさまざまに思いを巡らせました.
     
     何よりも感じたことは、発表会はジャッジをくだす場ではないということ.仕事柄、僕もつい忘れがちになるのですが、その人の具体的な作品の解釈よりも、或いは演奏の出来栄えよりも、もっと大切な何かがこうした催し物にはあります.
     
     それに気付けるかどうかはその時のコンディションにもよるのかもしれませんが、実際に参加してみなければわからない‥得難いその何かに惹かれているからこそ年齢や立場を越えた多くの人たちがこうして集うのではないかと改めて感じました.
     

     また、演奏から垣間見える音楽に対する姿勢、或いは人としての生きざまは、「なぜ音楽をするのか」 という究極的な問いをこちらへ投げかけてくるようでもあり、深く考えさせられました.
     

     そもそも音楽の道に客観的な正解はありません ― ピアノを達者に弾くことと演奏芸術の本質に迫ることは別問題で、音楽で収入を得ることと豊かな音楽人生を歩むこともイコールではないように ― その当たり前を忘れて自己を見失う不幸がなんと多いこと. もっとも今はそれも音楽家の試練と思えるくらいには大人になりましたが、根本を見つめなおす場や演奏を介して人と触れ合う時間にかけがえのない意義を感じました.
     

     最後に今月行ったコンサートやイベントの写真を掲載させて頂きます.写真を提供してくださった皆さん有り難うございました.
     
    越のルビー音楽祭 ピアノと短歌で綴るコンサート@ハーモニーホールふくい.2枚目の写真はアンコールのサプライズ演出、会場も皆さん大爆笑でした.共演は大宅さおりさん、早くから練習に付き合ってくださり感謝です.
     
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    翌日、美浜町生涯学習センター なびあす にて.同公演終演後の出演者による記念撮影.ファツィオリは明るくてフワッとしていました.

     
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    こどものためのピアノフェスティバル2015 は、ハーモニーホールふくいの小ホールでしたが、本格的でありながらもアットホームな雰囲気がありどこか懐かしい感慨を抱きながら演奏致しました.鳥山楽器の皆さまも有り難うございました.そしてがんばれ子どもたち!!
     
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    最後に、こちらはハーモニーアカデミーのオープンスクール.今回は桐朋学園大学の模擬レッスンを担当致しました.地元の若い学生たちが音楽を学んでくれるのは嬉しいものですね.
     
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4件のコメント

  1. こんばんは♪

    上大岡での発表会&リサイタル、成功に終わったようで本当に良かったですね!
    当日は何人くらいの出演者で、皆さんどんな曲目を弾かれたのでしょうか?
    また、リサイタルではどんな曲を演奏されたのかしら・・・。
    個人的にとても興味があります☆
    何かの機会にまた教えて頂けると嬉しいデス^^

    私も今年は2回発表会に参加させて頂きました。
    その時にある先生がお話して下さった言葉、
    「発表会は、当日無事に演奏会場に来られたことそれだけでもう90%上出来です!あとの10%は楽しく弾いて下さい!」
    とても心が救われました。

    音楽をすることの意味は人それぞれですよね。
    私にとっては音楽をすることイコールピアノを弾くことになりますが、私は割と早い時期に自分がピアノを弾くことの意味を明確化することが出来ています。
    それは自分にとってはとても幸せなことで、そのプラスのスパイラルがあらゆる事柄に巡ってとても良い感じでピアノライフを楽しむことが出来ています。

    演奏している川村さんも魅力的ですが、教えている川村さんもいきいきしていますネ!
    学生さんにファシリテーションしている自分を見ているようです(笑)。アヤ

  2. あっ、曲目、サイトのスケジュールに載っていましたね。
    すみません。
    ありがとうございます^^アヤ

  3. Ayaさん
    音楽することの意味は人それぞれ‥まさにその通りです.それを 「こうあらなければならない」 と一般論の理想を掲げてそれに縛られるほど無益なことはありません.きっと音楽それ自体もそれを望んではいないはずです.

    僕が教える時に大切にしていることは一人ひとりが自身の音楽の愉しみ方を見つけること.来年は生徒たちを連れて地方合宿も計画しています.それぞれの愉しみ方を見つけるためにはやはりいろいろなスタンスの方たちとリアルに交流するのが一番ですからね.

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