随想(1)プラハ ― 局面が変わるきっかけ

 現地時間で8月10日(金)17時頃、プラハ国際空港に着きました.ゲートをくぐって空港の外に出た瞬間、空気がぜんぜん違うことにハッとして ― あくまで個人的な印象ですが、東京がざらついて粉っぽい感じだとすると、ヨーロッパの空気はすっきり、さらさらとしています ― それまでずっと張りつめていた気持ちが一気にほぐされていくのがわかりました.
 

 実を言うと、日本を経つ数日前から休みを取っていたのですが、それまでに溜め込んでいたストレスが一気に放出したことと、自分の力ではどうすることもできない、つまり「不運」としかいいようのない出来事が重なり、一時は「心がバラバラになってもプラハに行くか、信用を失ってでも断念するか」と真剣に悩みました.そんなこんなで、フライト中は最近すこし気になっている禅僧の言葉を思い出して涙が止まらなくなったり ― 今思うと周囲の人たちにはあり得ないくらい滑稽な姿に映っていたに違いありません ― かと思えば、身体が石のようにピクとも動かなくなったり‥
 

 でも、今は思い切って日本を離れてよかったと思っています.最初にも書きましたが、ここへ来て、空気が違うということと、それに心が動かされていることに気がつくことができたからです.それは同時に、単に空気そのものが異なっているという事実だけでなく、「空気」という言葉や概念でもって、なんとなく理解したつもりになっていた(凝り固まった)認知のまとまりに、流動性が出てきたということを示しています.
 
 当たり前といえば当たり前、むしろ当たり前すぎて気にも留めていないというのが正直なところですが、音楽で言えば、たとえば「ド」という音にさまざまなピッチや響きの性質、方向性があるように、「空気」にもいろいろな空気があります ― こんなふうに、ただの当たり前でしかなかったことに対し、それまでにないリアリティを見出した時、まるでチャンネルが切り替わったかのごとく目の前に広がる景色が鮮やかに色づくものなのかもしれません.
 

 今日は午後のレッスンとあさってのコンサートのための練習を終え、少し街を歩きました.まだ2日目ですが、プラハの町は僕の肌に合うようです.うまく言えませんが、今回の滞在が人生の局面を変えるきっかけになるといいなと思います.
 

 こちらに居るあいだは時間にもゆとりがあるので、日々の出来事、感じたことを、久しぶりに随想として書き綴っていこうと思います.
 

 それでは、また.

 

滞在しているホテルからの眺め

 
kawamurafumio_20180811
 

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1 Comment »

 
  • Aya より:

    川村さん、こんにちは。
    こちらは夕方の4時をまわったところです。

    まずは無事にプラハに着くことが出来て良かったですね。
    プラハの気候はどんな感じでしょうか?
    こちらは前日までの酷暑(40度超え)から脱出し、毎日35度くらいです。
    40度を経験すると35度が涼しく感じるのがなんだかちょっと怖いです(苦笑)。

    エントリー読みました。
    「信用を失ってでも断念するか」とまで考えるとは、よっぽどのことだったのでしょうね。
    今は少しは落ち着かれましたか?
    涙を流すことは男性でも女性でも格好悪いことではないと私は思っています。
    涙が出るのには様々な理由がありますが、泣くことによって胸のうちにたまっていたものを出してすっきりすることも出来ますし(カタルシス効果と言うそうです)、泣くことによって「あぁ、自分では吹っ切れているつもりでもまだ心は立ち直っていないんだなぁ・・・」と気付くこともあります。
    私も新幹線の中で大泣きしたことがあります(幸い隣の席に乗客がいなくて良かった)。
    先月も自分の部屋でひっそり泣きました(発表会のことで)。

    プラハでは時間にもゆとりがあると書いてあり、「良かったな」と思っています。
    いつも毎日忙しく活動していますからね、外国の違った街並みや景色・雰囲気を存分に味わってエネルギーチャージしてください!
    レッスンやコンサートも楽しんで頑張ってください!
    私もお盆中は仕事なので、自分の与えられた仕事をがんばります^^

    お元気に充実したプラハをお過ごしください♪アヤ

 

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