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ピアノ合宿 in 別府 ~ コンサート編

 前泊を含め延べ4日間にわたるピアノ合宿 in 別府 をお蔭様で無事に終えることができました.連休にもかかわらずホールや宿泊施設の手配を快く引き受けてくださった冨士屋さん、そしてコンサートの進行はもとより、偏食する学生たちのために栄養満点の夕食を作ってくださったトータルブレインのスタッフの方々、さらに合宿を盛り上げてくれた全ての皆さまに心から感謝致します.
 

 ところで 「なぜにピアノ合宿なんですか?」 と、いろいろな方に尋ねられました ─ まぁ悪意はなくとも素朴な質問に真剣に答えるにはとてつもないエネルギーが要るもので ─ その都度つい 「もののはずみで‥」 などといい加減に答えていましたが、それはもちろん冗談です.本当は、僕自身が従来の、或いは今の教育プログラムやレッスンのスタイルにある種の限界を感じていたからです.正直、教え始めて間もない頃の自分は、レッスンを通して曲のつくりやピアノの弾き方を一方的に伝えることでどこか満足していました.あまり認めたくはないのですが、その頃はピアノや音楽を通して彼らがなにを感じているのか(或いはいないのか)ということを省みず、ただ教えている自分に酔っていたようにも思います.
 
 けれども、音楽大学の仕事に少しずつ馴染めるようになった3, 4年ほど前からは、「このようなやり方を続けていては生徒たちがこの先も音楽的に自立できないまま終わってしまうのでは?」 と危機感を抱くようになり、また、自分の中でも 「単にものを説明するだけの先生では終わりたくない」 という想いが募るようになりました.仕事が人を育てるという言葉がありますが、今振り返ると、桐朋学園で教鞭を取るようになったことで一指導者として成長させて頂けたように感じます.
 
 と、まぁそうした経緯があって今回のピアノ合宿と相成ったわけですが、当然ながら僕一人ですべてを賄うことはできませんので、古くからお付き合いのある(なんと学生時代から!)大分の方々のご協力を得ながら、約半年の準備を経てようやく開催にこぎ着けました.めでたしめでたし.
それでは初日に行われた門下生による発表会とリサイタル、そしてプライヴェートコンサート等を写真でゆるりと紹介したいと思います.

 

まずは会場のある冨士屋さん、登録有形文化財です.
 
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中はカフェにもなっていて、レトロな趣がとっても素敵です.
学生たちがはしゃいで物を壊したりしないかヒヤヒヤしました‥
 
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前日18日は生憎の雨でしたが、コンサート当日は快晴.
鉄輪のいたるところで僕のチラシを見かけました.
 
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17名の門下生による発表会では、初めての会場にもかかわらず、皆ホールの
響きを生かしながらのびのびと演奏していたように思います.改めてお疲れ様でした.
 
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教え子たちの発表会に続いて僕のリサイタル.毎回聴きに来てくださる方も
いらっしゃって満席でした.それにしても生徒の前で弾くと妙な緊張をしますね‥

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そして夜は愛すべき子どもたちにささやかなコンサート.
 
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本当に盛りだくさんで有意義な一日でした.
(つづく‥)

明日から別府です

 年をとるにつれて回復力が落ちるというのはどうやら本当で、述べ9日間にわたり ─ どうしてもやらなければならない最低限の仕事のみこなしつつ ─ グズグズ&モソモソしてしまいました(丸4日もピアノが弾けないなんて!).やはり身体がままならないと気持ちまで萎えてしまってダメですね.お陰様でだいぶ良くなりましたが、心身一如、まだまだ人としての修行が足らないようです.
 
 話は変わりますが、近所のスーパーで何気なく買った昆布茶がとても美味でこのところ毎日飲んでいます.万が一売り切れると困るので商品名は書きませんが、原材料は北海道の根昆布と天然の塩のみ.最初に一口飲んで 「あぁやっと理想の昆布茶が見つかった」 と思いました.お気に入りはこの昆布茶に福井産の白干し梅(梅を塩だけで漬けた梅干)を丸ごと一個投入して頂く飲み方です.一日の終わりに飲むとホッとします.
 

 さて、明日からいよいよ別府で、明後日からコンサートと合宿が始まります.今日は門下生たちを集めて最後の弾き合いをしました.普段は人前に出るとおとなしい教え子たちもさすがに今日は少し緊張感がありました.それはともかくとして、こうしてそれぞれが同じ目標に向かって真剣に打ち込んでいる様子はなかなか美しいもんだなと思いました.
 
ちなみに門下生による発表会は19日(土)12時00分から、リサイタルは同日16時00分からで、いずれも 冨士屋 Gallery 一也百 にて開催させて頂きます.お近くの方は是非お運びください!

 

数ヶ月ぶりに近所の公園のカモを眺めて和んできました.
いやぁ、まったく‥言葉を失うほど心が和みました.
 
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つるが海響コンサートから別府の音楽合宿へ

 ようやく3月になりました.「ようやく」と書くのは例年12月から2月にかけてあらゆる仕事が立て込むためで、だから取り立ててどうというわけではないのですが‥それでも無事に3月を迎えられるとなんとも言えない安堵感を覚えてしまいます.
 
 さて、つるが海響コンサート2016 ENJOYピアノ協奏曲 にいらしてくださった皆さま、有り難うございました.オーケストラとのピアノコンチェルトが聴けるということもあってか、1階席には立ち見も出ていましたね.
 
 しかしながら、言うまでもなく、音楽会はプレイヤーと聴衆だけでは成立しません.今回の公演では、ぽーとあい敦賀市文芸協会、つるが海響コンサート実行委員会の皆さまをはじめ、この企画に賛同してくださった多くの方々が知恵を出し合って協力されたと伺っています.さらに僕の目の届く範囲だけで公演当日にどれだけ多くの方が動いてくださったか‥本当に頭の下がる思いです.
 
 そして、この公演で福井大学医学部管弦楽団(指揮:高谷光信氏)の水準の高さに驚かれた方も多いことと思います、何を隠そう僕もその一人です.医学部の勉強とオーケストラとの両立は聞けば聞くほど困難を極めるものだそうですが、彼らのパフォーマンスは専門家をも凌駕するほどの直向きさと音楽の歓びに溢れていました.今回、一奏者としてまた新たに学ぶきっかけを頂けたことに感謝すると同時に、地元福井にこのような生きた音楽を奏でる学生オーケストラがあることを心から誇りに思っています.

 

前日のリハーサルの様子.この日はオケに感化され閉館まで一人でさらいました.

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 ところで、今月の18~21日は別府は鉄輪にて門下生や卒業生を集めて初の音楽合宿を行います.メインは19日(土)、大分の文化財にも指定されている冨士屋 Gallery 一也百 にて開催される17名の教え子たちによる発表会とピアノリサイタルです.
 
 ちなみに冨士屋さんとはかれこれ10年来のお付き合いですが、もともと別府市は桐朋学園大学在学中に参加したアルゲリッチ音楽祭がきっかけで因縁浅からぬ場所となった経緯があります.今度の合宿中にはコンサート以外にも皆で名物の地獄蒸し(料理)を体験したりグループレッスン等を予定していますが、こちらも学生時代(!)からお世話になっている長いお付き合いの現地の皆さんがスタッフとしてサポートしてくださいます.本当に有り難いことですね.
 

 今週末からまたイベントが続きますが、体調に気を付けてしっかり頑張ろうと思います.皆さまもくれぐれもお大事にお過ごしください.

 

3年ぶりの別府公演、お近くの方はぜひ!

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音楽の旅

 2月も終わりに差し掛かっていますが、今朝はバルコニーに雪が積もりました.温暖化と言われてはいるものの、近年は東京の雪が珍しくなくなってきたようです.余談ですが、雪が積もると普段からひっそりとしている家の中がさらに静まり返ってとても快適です.このしんとした空間で鈴(仏具)を鳴らすとどうにかなってしまいそうなほどゾクゾクします.
 
さて、相変わらず目まぐるしい日々を過ごしていますが、先週は今の住まいに引っ越しをしてから2度目の契約更新をしました.これで丸4年が過ぎたことになります.最近は留守も多いうえにもっぱら寝に帰るだけの日もあるので、そんなに長く住んでるのかしらと釈然としないのが正直な心境です.けれども一方で、今のライフスタイルに少し慣れてきたかなと思うことがあります.以前だったらとてもこなしきれなかった量の仕事を今は当たり前のようにこなしていますし、あんなに苦手だった外交的な立ち振るまいも昔に比べてだいぶできるようになってきました.もっとも今でも決して楽ではありませんが、自分のためにも相手のためにも、仕事上の辛いことはさっさと慣れてしまったほうが賢明なのかもしれません.
 

 ちなみにこの日曜と月曜には福井県新人演奏会オーディションの審査やマスタークラスを担当させて頂きました.こうした仕事をさせて頂くようになり、「後進のために僕にできることは何だろう‥」と自問自答する機会が増えましたが、なかなか答えは見つかりません.それだけならまだしも、僕から見て、音楽を志す若い奏者たちが今、何を感じ、何を学び、何を目指しているのか ─ 言うまでもなく演奏や音楽活動の根本的な動機です ─ それが掴めずにもどかしさを感じることが多いです.そうした意味では、趣味で続けている学生や大人は良い意味で貪欲なのでそのような心配事が少ないのですが.まぁいずれにせよ自分なりの答えを地道に探し続けるしかないのでしょうね.
 

そして昨夜はヤマハ銀座スタジオにて行われた「音楽の旅」シリーズにピアニストの三輪郁先生と共に出演させて頂きました.1月末のモーツァルトから打って変わって、今回は「愛と死」という壮大なテーマ.終わったから書けるのですが、今回の準備は精神的にとても苦しかったです.物理的な課題もあったのですが、僕の中では「愛」も「死」もどこかタブーというか、まともに言葉で語れるようなものではないと思っていたので、考えれば考えるほど、作品と向き合えば向き合うほど息が詰まりそうになってしまって‥と、そんな話をしたら、意外にも三輪先生も同じようなことを話されていたので妙に安堵しました.そのせいかはわかりませんが三輪先生とご一緒したマーラーのアダージェット(連弾)では、そこに至るまでの苦しみに耐えた心(←大袈裟)を解放してくれるかのような心地良さを感じることができました.そして今回は都心での公演ということもあってか、教え子や卒業生、他門下の学生等がたくさん聴きに来てくれたのも嬉しかったです.あまり多くの言葉を交わすことはできませんでしたが、彼らの表情を見ていて、やはり大切なことは言葉よりも演奏で伝えるほうが僕には合っているのだろうなと改めて感じました.

 

さて、今日はこれから大学の公開試験の審査です.そして週末はいよいよラフマニノフのコンチェルト.それが終わればようやく2日間の休みを頂きます.久しぶりに?実家で親とゆっくり過ごす予定です.それでは週末の日曜日は敦賀でお待ちしています!

 

ヤマハ銀座スタジオはすっきりとした響きでした.
 
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今朝は早くに目が覚めてしまったので、散歩がてら野鳥に癒されてきました.
 
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こちらは群れから一羽だけ寄ってきた愛くるしいハト.
 
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2月の演奏会、イベントのご案内

 気が付いたら立春も過ぎ、心なしか風が生暖かいようなそうでもないような.そんな中、7日(日)には大野ピアノメソッドお茶の水教室サロンにてマスタークラスを開催させて頂きました.いつもながら受講生の皆さんは大変熱心に取り組んでらっしゃったのでとても気持ちの良い一日でした.また、昨日は3日間にわたって行われた大学入試の実技試験の審査を終え、久しぶりに家でほっとひと息つきました.でもこの週末は上大岡エキスパートレッスンやコンチェルトの初合わせがあるためまだまだ気は抜けません‥
 
 さて、今月のイベントのご案内をさせて頂きます.まず、2月22日(月)はハーモニーホールふくい(リハーサル室)にて、マスタークラスをさせて頂きます.10時00~16時20分の予定で聴講料は500円(当日支払・事前申し込み不要)となります.小学生以上の方ならどなたでも聴講できます.尚、前日21日(日)には小ホールにて福井県新人演奏会オーディションの審査があり、こちらは終日入場無料で聴くことができます.
 
 その週の24日(水)、ヤマハ銀座スタジオ(ヤマハ銀座ビル地下2階)にて開催されるシリーズ 『8人のピアニストによる音楽の旅 連続演奏会』 にピアニストの三輪郁先生とジョイントで出演させて頂きます.「愛と死」をテーマにそれぞれソロを演奏させて頂いた後、マーラー / 交響曲 第5番 第4楽章「アダージェット」(連弾)を三輪先生と共演させて頂く予定です.こちらは19時00分開演で、まだチケットの予約を受け付けております.出演者を通してご予約頂ける場合は一般券が割引になりますが、オフィシャルウェブサイトから私へお申込みされる場合は20日(土)までにお願い致します.
 
 最後は28日(日)、敦賀市民文化センター大ホールで開催される『ENJOY ピアノ協奏曲 ~ピアノとオーケストラが織りなすピアノ協奏曲の華やかな世界』.高谷光信氏指揮、福井大学医学部管弦楽団の演奏でラフマニノフのピアノ協奏曲 第2番を共演させて頂きます.とてもリーズナブルなお値段でオーケストラやピアノコンチェルトが聴けますので皆さま是非お気軽にいらしてください.

 

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 ちなみに、4月以降の上大岡エキスパートレッスンのお申込み受付は2月15日(月)10時開始となっております.詳細はウェブサイトのスケジュールをご覧ください.
 

それでは皆さまもどうぞ良い週末をお迎えください.

 

 先月、モーツァルトのコンチェルトを演奏した翌日、両親と新宿界隈を散歩しました.
まだ肌寒い時期でしたが早咲きの桜がちらほら咲いていました.今ごろは満開でしょうね.
 
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モーツァルトとモダンピアノ

あれよあれよという間に高校・大学の卒業試験が終わり、昨日は東京ガルテンシュタット管弦楽団の第70回定期演奏会に出演させて頂きました.
 
今回演奏したのはモーツァルトのピアノ協奏曲 第25番 ハ長調 K.503 で、どちらかというと国内では取り上げられる機会の少ない作品ですが、個人的にはよくこの作品を選んでくださった ─ 通常ピアノコンチェルトの演目をソリストが決めることはありません ─ と感謝の気持ちでいっぱいです.
 
とはいえ、今回もモダンピアノで古典派を弾くことの難しさを痛感しました.よく 「古典は基本」 と言いますが、僕自身は、現代のピアノで古典派を演奏するのは実はとても難しいことなのではないかと思っています.当然と言えば当然ですが、少なくとも近年のコンサートグランドは古典を弾くために設計されているとは思えませんし、(ハイドンやスカルラッティは別として)ベートーヴェンやシューベルトに至っては、そもそも作曲家の想定していたであろう響きが鍵盤楽器のそれとは思えない作品も珍しくないからです.そうした意味で、僕にとって古典派の作品、とりわけモーツァルトの作品をモダンピアノで表現するということは決して容易なことではありません.
 

もっとも、現代のピアノが以前に比べてパワフルになり、また、音色の変化がつけやすくなったことは歓迎すべきことです.総合的に考えればメリットの方が圧倒的に大きいことは疑いもありません.しかしながら、ことモーツァルトに関しては、僕は楽曲の本来の品格を損ねない素朴な、けれども内的に豊かなニュアンスをつけるために、タッチはもとよりウナコルダやダンパーペダルを細心の注意を払いながら多用するため、(報われるかどうかはさておき)どうしても手間や仕事量が増えてしまいます.個人的にはこうしたアプローチをする目的はいわゆる「ピリオド奏法」のそれに近いと自己正当化を図りたいところですが ─ 誤解のないように捕捉をさせて頂くとピリオド奏法はチェンバロやフォルテピアノの奏法・響きを真似ることや「懐古主義」とは異なります ─ なにゆえこのようなしちめんどくさい思いをしてまでこだわるのかというと、それは単純にモーツァルトの魅力を知ってしまったからなんですね.
 

正直、モーツァルトを弾きながらいつも感じるのは「これは一生かかっても上手く弾けないだろうなぁ」という軽い諦めと脱力感(笑 けれども真面目な話、難しければ難しいほど勉強のしがいがあるのもまた事実です.それに、簡単にできてしまうことはもうあまりおもしろいと感じない‥そんな年齢になってきたのだと思います.
 

何はともあれ、昨日のコンサートでは団員の皆さんが本当に楽しそうに本番で演奏してくださったので僕も嬉しかったです.打ち合わせの段階からたくさんの我がままを聞いてくださった指揮者の末永隆一先生、そしていらしてくださった皆さんにもこの場を借りて御礼申し上げます.どうも有り難うございました.

 

会場の大田区民プラザ大ホールはスッキリした響きでした.
写真にはありませんが控室の昭和の雰囲気にテンションが上がりました.
 
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クラスコンサート vol. 7 を終えて

今朝は雪の影響で都心の交通機関はほとんどパニック状態でした.別に得意気になっているわけではありませんが、福井育ちの身としては、たった数センチの積雪でどうして毎回こんなに混乱をきたすのかとつい首を傾げてしまいそうになります‥
 
けれども、まぁそうは言っても同じ地域に暮らしていれば皆お互い様でもあるわけで ─ 確かに都市の抱える脆弱性は問題ですが、実際はそんな事は百も承知で住んでいる人が大半なのかなと思ったり ─ いっそこのような日には日頃のおだやかな天気に感謝するくらいの心持ちで過ごせたらいいなぁと個人的には思います.
 

さて、更新が遅くなりましたが、お蔭様で7回目のクラスコンサートも無事に終えることができました.協賛してくださったカワイ音楽振興会の皆さま、スタッフの皆さま、そしていらしてくださったすべての方々にこの場を借りて御礼申し上げます.
 
今回は43名の教え子たちがそれぞれ思い思いの演奏を披露してくれました.個々の演奏については僕もいろいろと思うことはありますが、一人ひとりが自身の理想とする響きや音楽を貫いたという点でとても頼もしく感じられました
 

また、聴きにこられた方々からはさまざまなご感想を頂きました.とりわけ多かったのは 「同じ楽器とは思えないくらいに弾く人によって響きが違う」 という意見です.もっとも演奏者自身の持ち音や訓練によって磨かれた音色に一つとして同じものはありませんが、今回のクラスコンサートでは、そういったバラエティに富んだ個性や技能とともに Shigeru Kawai (SK-EX) のポテンシャルが非常に高かったということを付け加えておきたいと思います.
 
正直、このような素敵な会場を使わせて頂けるのはとても恐縮なのですが、これからも教え子たちとともにさらに精進し、コンサートも出来る限り長く続けて参りたいと思います.今後ともどうかご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます.
 

美しいカワイ表参道のサロン、来年もまた開催できますように‥

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今年はモーツァルトから

明けましておめでとうございます、本年もどうぞ宜しくお願い致します.
 
皆さまは今年はどんなお正月でしたか?僕は元旦に両親と丸岡町の竹田をドライブした以外は家で大人しく過ごしました.静養の甲斐があって、まるで自分の身体じゃないくらいにすこぶる元気です.これがずっと続くと良いのですが(笑
さて、今月末は東京ガルテンシュタット管弦楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲 第25番 ハ長調 K. 503 を共演させて頂きます.実をいうと前々から、年末年始のまとまった時間を利用して久しぶりにモーツァルトのピアノ協奏曲を勉強し直そうと思っていました.とはいえ全曲は厳しいので、1784年~86年に書き上げられた第14番から第25番 ─ 3年間でピアノ協奏曲を12曲も書き上げるのは人間業とは思えません ─ を中心におさらいしました.
 
中には幾度となく弾いたり聴いたりした思い入れのある作品もありましたが、こうしてあらためてスコアを開きながらじっくりと音源に耳を傾けていると、まだ自身の知らないモーツァルトの愛らしい響きやポリフォニックなテクスチュアが至るところに認められ思わずハッとします.
 

もっとも、長く音楽を学ぶということはこうした小さな驚きと幸せな発見の繰り返しなのだと思います.正直なところ、10代20代の頃は知識として詰め込むことで精いっぱいで、ごく限られた作曲家や作品を除き、今よりもずっと浅いところで音楽や音楽の響きを感じていたように思います.けれどもなんだかんだで演奏や勉強を続けているうちに、気が付くとその頃とはまったく異なる感覚で愉しめるようになっていました.このようなことは傍から見れば取るに足らないことかもしれず、ある意味で生産性の無いことかもしれませんが、「ひょっとして自分の中にもまだまだ知らない 『音楽』 があるのかもしれない」‥そう思えるだけでも僕は自分の人生や未来に希望を持つことができる気がします
 

ところで、今回演奏させて頂く第25番 ハ長調 K. 503 はオリジナルのカデンツァがないので自作のものを披露する予定でいますが、これがまたいろいろと欲が出て収拾がつかず ─ こんなところにまで性格が表れているのかと思うと我ながら呆れますが ─ 年越しもこのカデンツァを作っているうちに気がついたら年が明けていたくらいです(汗
 

まぁそんなこんなで今年はモーツァルトから始まりました.ちなみに東京ガルテンシュタット管弦楽団 第70回 定期演奏会 は大田区民プラザ 大ホールにて1月30日(土)18時30分から、末永隆一先生の指揮で入場は無料です.入場は無料ですが、招待状の必要な方は僕の方までご連絡ください.こちらは23日(土)頃までウェブサイト経由で受け付けております.また1月9日(土)のクラスコンサート(10時30分~20時00分@カワイ表参道 コンサートサロン 『パウゼ』)でもご希望の方にはお配りする予定です.ご興味のある方は是非.
それでは皆さまにとって今年が明るく楽しい一年でありますように.

 

竹田にある龍ヶ鼻ダム.今まで黙っていましたが、僕はダムやダム湖好きで
写真を見るだけでゾクゾクします.3枚目は親友とよく釣りをした絶好のポイント.
 
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そして龍ヶ鼻ダムよりさらに上流へ行くともう一つ古くて小さなダムがあります.
僕は子どもの頃に自転車で2回ほど来ただけですが、崖っぷちの険しい林道を
延々と上るため、丸岡町民でも知らない方は多いと思います(親も知らなかった).
 
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2015年を振り返って

 昨日ようやく年内最後のホームレッスンを終えました.早いもので2015年も大晦日です.僕は今日から3日間はお休みを頂きます.今年は2年ぶりに実家で年越しをしますが、年始から大きなイベントが続くので、今回は親孝行だけして残りは体調を整えることを最優先にしようと思います.
 

 さて、今年もお陰様で有意義な一年を過ごすことができました.仕事面では ─ とりわけ比重を置いているのはやはり大学での教育活動ですが ─ 北は青森、南は徳島まで各地でさまざまなコンサートに出演させて頂きました.
 
 また、コンクールの課題曲講座や講演会、マスタークラス等では、演奏芸術に携わる者として「音楽や音楽作品を何のために、どう伝えていくべきか」という根源的なテーマと向き合う必要性を改めて痛感しました.「初心」とは多少異なりますが、今後もじっくり掘り下げていきたい課題の一つです.
 
 そして何より今年嬉しかったことはアンサンブルの機会に恵まれたことです.デュオ・室内楽ではチェロの松波恵子先生、バソンの小山清さん、ヴァイオリンの島田真千子さん、篠原悠那さん、クラリネットの豊永美恵さん、そしてピアニストの大宅さおりさん等と共演させて頂きました.またオーケストラでは滋賀大学オーケストラ、東京工業大学管弦楽団の皆さんとご一緒することができました.
 

 プロフェッショナルな奏者はもちろんですが、学生オケの皆さんと交流していると、彼らのその直向きな姿勢に音楽の本質を垣間見ることが少なくありません.もっとも、仕事である以上プロには制約が多いことも事実です.けれども僕はプロとアマチュアがバラバラに存在するのではなく、互いに刺激し合うところから真に豊かな音楽の未来が生まれるのではないかと考えています.まぁ理想を語るだけでは何も変わらないのでとにかく実践あるのみ、今後もできる限り垣根を超えた意義ある音楽活動を続けていきたいと思います.
 

 ところで、来年の抱負‥というのは大げさかもしれませんが、僕が個人的に心に留めておきたいことを綴っておきます.それは自分の行いに対し 「自覚」 を持つということです.よくよく考えると、30歳を過ぎた頃から急激に忙しくなり、無意識的にこなしてしまっていることがあまりに多くあります.
 
 ただでさえ、現代は自分で自分のやっていることを正しく理解するということが難しい時代です.いちいちものごとを突き詰めて考えなくともどうにか遣り過ごせてしまう ─ 善し悪しは別として、昔と違っていつでもどこでも豊富な情報にアクセスでき、他人と繋がることが可能になりました ─ その日々の過ごし方も含め、来年は自身のこれまでの在り方を見直し、人としても音楽家としても少しでも成熟した大人に近づけるよう 「自覚」 を持って活動に勤しみたいと思います.
 

 最後になりますが、本年も支えてくださった多くの方々に心より感謝を申し上げます.また、2016年が皆さまにとって健康と幸せに満ちた年となりますようお祈り致します.有り難うございました.

 
 

自問自答と試行錯誤

日本ピアノ教育連盟東北支部 主催のオーディション予選課題曲公開講座@仙台を
お蔭様で無事に終えることができました.述べ約7時間に及ぶ長丁場でしたが、
終講後には質問に来られる方も多く、音楽に対する皆さまの熱意が感じられました.
 

さて、今回の広島と仙台の公開講座を通して、作品の分析や演奏に際し
自問自答と試行錯誤を重ねることの大切さを身をもって再認識いたしました.
 
実はレッスン以外の場において、自身が演奏で表現したことを言葉で説明したり、
反対に、言葉で表現したことを演奏で立証する機会はあまり多くはありません.
 
それだけに、今回のように小学生から大学生部門までほぼ全課題曲を限られた
時間内に紹介させて頂くためには、作曲家、時代、形式や様式といった音楽の
外見的特徴だけでなく、弾き手の身体の発達に応じた手の使い方やフレージング、
ぺダリング等を予め自分の中で整理し、体系化しておくことが必要不可欠でした.
 
普段はそれこそレッスンという現場においてほとんど無意識的に対処している
ことですが、いざ講座の準備に取り掛かると自ら 「問い」 を立てることが
まず難しく、また、筋の通る 「答え」 を導くことにも苦労をしました.
言うまでもなくそれら自問と自答の間に無数の試行錯誤がありました.
 

けれども、自分なりにもがいた分の興味深い発見もいくつかありました.
 
例えばショパンの遺作のポロネーズやモーツァルトの初期のメヌエットのように、
大作曲家のあまりにも若すぎる時代に書き上げられた作品群を芸術的観点から
丁寧に比較検証していく作業は、いよいよ同作曲家の名曲・難曲に挑む際に
ついおそろかになりがちな基礎課題をくっきりと浮かび上がらせてくれました.
 
極論かもしれませんが、チャイコフスキーのピアノ協奏曲やショパンのソナタを
難なく弾きこなす生徒は僕の学生時代に比べて珍しいものではなくなりました.
一方で『四季』やノクターンを相応に、魅力的に演奏できる学生はごく僅かです.
 
中には大学を卒業して気が向いた時に学ぼうと思っている人もいるようですが、
ピアノはヴァイオリンと違って、小品を先送りにすると後々が本当に厄介なのです.
 
大曲にチャレンジすることは否定しませんが、10代から20代前半の要所要所に
作曲家の原点や小品と真摯に向き合うことが重視されるべきと改めて感じました.
 

また、クレメンティ、ディアベリ、カバレフスキーといった作曲家は、やはり、
子どもたちがあくせくしながら弾いて、そのまま終わりにされている‥しかも、
ブルグミュラーやグリーグの小品、J.S.バッハのインベンションと違って大人に
なった学習者がその真の面白さに気が付くチャンスすら十分にもたらされていない.
「あぁ、なにもそこまで脇に追いやらなくとも!」 と、些か同情してしまいました.
(この機会に触れられたことがそれぐらい貴重な出来事だったという意味です)
 

‥というわけで、語りだすともう止まらなくなりそうなのでここで終わりにします.
 

ちなみに、僕は何事においても結果よりプロセス重視です.理由はとても単純です.
自分の実力は自分が一番よくわかっていて、それが結果に左右されるということは
まずあり得ないからです.自分の実力を磨くのは結果ではなくプロセスだと書いた
方がわかりやすいかもしれませんね.いずれにせよ、そのプロセスを充実させる
のが自問自答の繰り返しであり、試行錯誤を重ねることだと今回の経験で学びました.
 

最後になりますが、一連の公開講座でお世話になりました(公財)日本ピアノ教育連盟
山陽支部、東北支部の先生方、スタッフの皆さまにこの場を借りて心より御礼申し上げます.
 

会場のカワイミュージックショップ仙台、反応の良い上質なピアノでした.
 
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