20210331

【退職のご挨拶】感謝を込めて

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 桜の季節となりました。皆さまいかがお過ごしですか。突然のご報告ではありますが、私こと、本日をもちまして桐朋学園大学を退職することになりました。

 
 思い返せば、20代の終わりに非常勤講師として就任し、今日まで無我夢中で走り続けてきたように思います。母校に脈々と受け継がれてきた教育の伝統、そして偉大な諸先輩方を前に、果たして自分に務まるだろうかと疑心暗鬼になったり不安に駆られた記憶は数知れません。

 私が悔いを残さずにこの14年間を終えることができたのは、立場や世代を越えて、まるで家族のようにあたたかく接してくださる同僚や職員に恵まれたからこそと感謝しております。このような稀有な環境で積み重ねたかけがえのない日々と経験を、あらたな人生の糧として活かしていきたいと思います。

 そして退職に際し、思い思いのメッセージを綴ってくれた在校生や卒業生たちに、この場を借りて一言述べさせていただきます。面と向かって伝えたことはなかったと思いますが、さまざまな壁にぶつかったり、もがきながらも前に進もうとする姿を見るたびに、なんとかして力になれる存在であろうと触発されてきました。

 未来の音楽家に託す私の想いはかつて 文集『もぐら』 に寄稿した時と変わりません。生徒たちのさらなる成長と活躍を心から願い、万感の思いでエールを送ります。
 

 さて、私自身は今後も音楽と共に歩んで参ります。もっとも、聞こえが変化したことによって、これまでの何倍も稽古を積む必要があることは承知していますが、ファツィオリジャパン株式会社をはじめ、リオン株式会社、JINO株式会社からの惜しみない協力やきめ細かいサポートを得ることができ、心強く感じている次第です。

 当面は静養と音の感受のリハビリに専念しますが、また一から勉強し、いつか必ずソロの舞台に立てるよう頑張ります。今後ともどうかあたたかく見守っていただければ幸いです。
 

 末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈りし、退職のご挨拶と代えさせていただきます。

 
 令和3年3月31日
 川村 文雄

3件のコメント

  1. こんにちは。

    退職されたとのこと、
    「そうなんだ~まあ、
    そういうこともあるよねぇ…?」
    って感じで受けとめています。。

    引き続き、
    長い目で見守って応援していますね!

  2. なんかショック過ぎて、なんとコメントしたら良いのか分からなくて混乱しておりますが、決断されるまでには大きな苦悩があった事でしょう..

    どうかゆっくり静養されて、また素敵な演奏を聴かせてください。

    先生なら大丈夫です!
    応援しております。

  3. 娘と福井県での演奏会に行かせていただいて川村先生の音色に励まされておりました。今ホームページで知りただただ驚いてます。しっかりゆっくり静養されてまた演奏を聴かせていただく日を楽しみにしております。

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