摘み終えたとばかり思っていた四季成レモンの木に巨大なレモンが6つもぶら下がっていたので、慌てて収穫しました。八朔のように見えますが、樹木から栄養を吸い過ぎたレモンのお化けです。
ところで、この年末年始は6年ぶりに実家で年を越しました。聞こえが変わって以降、母親がこの3年間ひたすら折り鶴を折り続けていたという衝撃的な事実が発覚した以外はとても穏やかな滞在となりました。誤解を恐れずに言えば、僕がそんなことをされて素直に喜ぶような人間でないことは百も承知のうえで、そうするしかなかったのでしょうし、一周回って、他人からどう思われようと人は自分ができることをしていればそれで良いのだと、行動で示してくれた母親に心から感謝をしています。
僕自身はというと、ほんとうに有り難いことですが、まあたらしいたくさんの出会いやチャンスに恵まれ、おかげさまで「聞こえにくさ」とどうにかつきあっていけそうなくらいには、心を取り戻せてきているのではないかと思っています。その証拠に、問題なく聞こえていた頃からの知人や友人たちと再会して話をしたりメッセージを交わすようになりましたし、バリアフリー字幕付きの映画をひとりでふらっと観に行ったり音楽会やイベントにもちょくちょく足を運んでいます。
なによりも教え子たちが時々演奏を聴かせてくれることは強力な支えになっています。もっとも音楽家として、こんなふうに音楽に励まされることになるとは以前の僕には想像もできなかったことですが、生きているといろいろなことがあって、いろいろあるからおもしろいのだなとあらためて感じています。
さて、明日は府中の森芸術劇場にて恩師の主催するコンサートにゲスト演奏として出演します。また、翌日は福井県美浜町にある生涯学習センターなびあすホールにてポルタ 特別レッスンを予定していますので、ご興味のある方はお気軽にお立ちよりいただければ幸いです。
遅ればせながら本年もどうぞよろしくお願いいたします。